水をめぐる物語
Story

都会の景色
東京で聞いた声
おいしいパンが食べられなくなった
学生時代からパン屋を訪ね歩くほどのパン好き。東京でシステムエンジニアとして働いていた頃、あるコーヒー専門店のオーナーから「東京には欲しいパンがない」と聞いたことや下町のお客様から「下町より山の手のパンの方がおいしい」と聞いたことで、パン作りに『水』が大切であることに気づかされました。その後大手インストアベーカリー、さらにハワイで4年間パン作りの経験を積み”おいしい水のある場所”でお店を開くために、2004年北海道にUターンしました。
壮大な農道
水を求めて走った36,000km
パンに最適な水を求めて、農家さんの軒先の水を飲み、またある時は公園やキャンプ場の水を飲むという「水を探す旅」がはじまりました。大雪山系に近い方がおいしいとも限らず、場所によっては100m違うと味が変わるため水探しは難航。十勝の道という道を走りつくした8ヶ月。走行距離は36,000kmに及びました。
上美生交番裏の公園の水飲み場
カントリーブラン発祥の水
「上美生の交番裏の公園にある水飲み場」
やっと出会った理想の水
「日高山脈の伏流水」
ついに上美生の公園にある水飲み場で運命の水に出会いました。それは日高山脈に降った雨や雪が自然のフィルターを通して湧き出た「日高山脈の伏流水」。年間を通して水温は9度前後、ほのかに甘く、これぞ求めていた理想の水。この地で開業すると決めて土地を探し、2004年12月『カントリーブラン』をオープンさせました。
走る車
添加物だらけの
食生活を改善したいから
良質な食材を生産者から
直接仕入れています

水と同じく「安全な食材」へのこだわりは、現代の添加物だらけの食生活が、子どもの食物アレルギーに関係していると考えているからです。「おいしさだけでなく、安全なパンを提供したい」そのためには「顔の見える生産者から良質な材料を直接仕入れる」ことでした。そしてこの考えを実現し、協力いただける生産者が多数いるこの土地と環境に感謝しながら、毎日パン作りをしています。